
結論からお伝えします。海外eSIMのデータローミングは「オン」、日本の主回線は「オフ」にするのが正解です。
この記事では、以下の3点を解説します。
- なぜeSIMのローミングをオンにしても高額請求されないのか
- 空港・機内・現地で「今、何をタップすべきか」がわかる設定手順
- iPhoneユーザーが陥りがちな「隠れた高額請求の罠」とその回避方法
結論:海外eSIMのデータローミングは「オン」が正解
「データローミングをオンにすると、数万円の高額請求(パケ死)が来るのではないか?」と不安になるのは当然です。かつての常識では、それは非常に危険な行為でした。
しかし、デュアルSIM(2つの回線を同時に使う機能)が当たり前になった現在、設定の正解は明確です。海外eSIM(副回線)のデータローミングは「オン」、日本のSIM(主回線)のデータローミングは「オフ」にしてください。これさえ守れば、データ通信による高額請求はほぼ確実に防げます。

なぜオンにしても高額請求(パケ死)されないのか?
海外eSIMのデータローミングをオンにしても安全な理由は、多くの海外eSIMが「前払いの定額制(プリペイド式)」が主流だからです。
購入したデータ容量(例:3GBや5GB)や日数を使い切ると通信速度が遅くなるか、通信が止まる仕組みになっています。日本の通信キャリアのように、使った分だけ青天井で料金が加算される「従量課金」のシステム自体が存在しないため、購入した範囲内であれば高額請求は発生しません。
ただし、一部のeSIM(Airaloの一部プランなど)には自動更新のサブスク型プランも存在するため、購入前にプラン形態を必ず確認してください。
【重要】日本の主回線は必ず「オフ」にする
高額請求の本当の原因は、海外eSIMではなく「日本のSIM(主回線)」のデータローミングがオンになったまま通信してしまうことにあります。
NTTドコモの公式ページによれば、海外で日本の回線を利用したデータ通信(国際ローミング)を行うと、データ通信料は1.6円/KBの従量制となり、通信料が非常に高額になる場合があると警告されています [1]。
つまり、私たちが絶対に防がなければならないのは、「日本の主回線で現地の電波を掴んでしまうこと」です。設定アプリを開いたら、真っ先に主回線のデータローミングが「オフ」になっていることを確認してください。
【要注意】iPhoneユーザーが陥る「自動切り替え」の罠
主回線のデータローミングをオフにしたからといって、完全に安心するのはまだ早いです。特にiPhoneユーザーには、「モバイルデータ通信の切り替えを許可」という隠れた高額請求の罠が存在します。
「モバイルデータ通信の切り替えを許可」とは?
Apple公式ドキュメントによれば、この機能は主に「音声通話中にもデータ通信を継続利用できるようにする」ためのものです。通話に使う番号と通信に使う番号が異なる場合に自動連携を行います。
カバレッジ状況による回線切り替えの側面もありますが、公式には「データローミング利用中はこの自動切り替えは動作しない」とされています。したがって、海外eSIMでデータローミング接続している状態において、この機能が原因で主回線に自動的に切り替わって課金されるリスクは限定的と考えられます。
しかし、意図しない設定ミスや予期せぬ挙動によるリスクを完全に排除するため、海外渡航時にはオフにしておくのが安全な慣行です。
【結論】: iPhoneの設定画面にある「モバイルデータ通信の切り替えを許可」は、海外渡航中は念のため「オフ」にしてください。
私が通信キャリアのサポート部門にいた頃、「海外用SIMを買ったのに数万円請求された」というクレームを多数受けてきました。その中には、ローミングのオン/オフだけでなく、こうしたデュアルSIM特有の複雑な設定を見落としていたケースも含まれます。読者の皆さんには、少しでもリスクのある設定は確実にオフにしておくことをお勧めします。
必ず「オフ」になっているか確認する手順
Appleの公式サポートドキュメントでも、デュアルSIM利用時のデータ通信の切り替え仕様について解説されています [2]。
以下の手順で、確実にオフになっているか確認しましょう。
- iPhoneの「設定」アプリを開く
- 「モバイル通信」をタップ
- 「モバイルデータ通信」をタップ
- 「モバイルデータ通信の切り替えを許可」のスイッチをオフ(灰色)にする

【iPhone/Android別】絶対に高額請求されない設定手順
ここからは、空港や現地で焦らずに済むよう、タイムラインに沿った具体的な操作手順を解説します。※すでにeSIMのインストール(アクティベート)は完了している前提で進めます。
※なお、iOS 26以降を搭載したiPhoneでは、旅行用eSIMのカスタマイズされたセットアップ手順が自動表示される場合があります。その場合は画面の指示に従いつつ、以下のポイントを確認してください。
ステップ1:日本出発前(空港)でやること
搭乗前の待ち時間に、日本の主回線が通信しないよう設定します。
【iPhoneの場合】
- 「設定」>「モバイル通信」を開く
- SIM欄にある「主回線(日本のSIM)」をタップ
- 「データローミング」をオフ(灰色)にする
【Androidの場合】
- 「設定」>「ネットワークとインターネット」>「SIM」を開く
- 「主回線(日本のSIM)」をタップ
- 「ローミング」をオフにする

ステップ2:機内でやること
飛行機に乗ったら、まずはスマートフォンを「機内モード」にします。その後、到着直前にデータ通信の主導権を海外eSIMに切り替えます。

【iPhoneの場合】
- 「設定」>「モバイル通信」>「モバイルデータ通信」をタップ
- チェックマークを「副回線(海外eSIM)」に変更する
【Androidの場合】
- 「設定」>「ネットワークとインターネット」>「SIM」を開く
- 「モバイルデータ」の項目で「副回線(海外eSIM)」を選択する
ステップ3:現地到着後にやること
現地に到着し、飛行機のドアが開いたら機内モードを解除します。そして、いよいよ海外eSIMのデータローミングをオンにします。
【iPhoneの場合】
- 「設定」>「モバイル通信」を開く
- SIM欄にある「副回線(海外eSIM)」をタップ
- 「データローミング」をオン(緑色)にする
【Androidの場合】
- 「設定」>「ネットワークとインターネット」>「SIM」を開く
- 「副回線(海外eSIM)」をタップ
- 「ローミング」をオンにする

これで設定は完了です。現地の電波を掴み、インターネットが使えるようになります。
設定を確認してから使いたい方へ
データローミングをオンにする場面が不安な場合は、iPhone・Android別の設定手順を先に確認できます。
eSIMのデータローミングに関するよくある質問(FAQ)
Q. 現地でデータローミングをオンにしても繋がらない時は?
まずはスマートフォンの再起動を試してください。それでも繋がらない場合は、一度「機内モード」をオンにしてから数秒後にオフにすると、電波を掴み直すことがあります。
また、eSIMによっては専用の「APN設定」が必要な場合があります。購入したeSIMのマニュアルを確認してください。
Q. デュアルSIMで、日本の電話番号での着信だけ受けることはできる?
可能です。主回線の「データローミング」をオフにした状態でも、主回線自体の「オン(有効化)」が維持されていれば、音声通話の着信は受けられます。
ただし、海外での着信には高額な「着信料」が発生します(例:韓国の場合、1分あたり70円など)。長電話には十分注意してください。
Q. 帰国したら元の設定に戻す必要はある?
はい、必要です。日本の空港に到着したら、ステップ2で変更した「モバイルデータ通信」のチェックマークを「主回線(日本のSIM)」に戻してください。
その後、不要になった海外eSIMは設定画面から「eSIMを削除」をタップして消去して構いません。
まとめ:正しい設定で、安心して海外インターネットを楽しもう
海外で使う通信手段を探している方へ
設定の不安を確認できたら、渡航先で使えるプランも確認できます。
海外eSIMを利用する際のデータローミング設定について、絶対に覚えておくべき3つのルールをおさらいします。
* 日本の主回線:データローミングは「オフ」
* 海外eSIM(副回線):データローミングは「オン」
* iPhoneの「モバイルデータ通信の切り替えを許可」は「オフ」
この3原則を守れば、日本の通信キャリアからデータ通信による高額請求はほぼ確実に防げます。
ただし、これはあくまで「データ通信」に対する対策です。音声通話の発信・着信、SMSの送受信には別途課金される可能性があるため、通話を受けたくない場合は主回線自体をオフ(または機内モード+eSIMのみオン)にしてください。
設定さえ間違えなければ、eSIMはSIMカードの抜き差しも不要で、最も便利で安全な通信手段です。不安を解消して、快適な海外旅行・出張にいってらっしゃい!
監修・執筆:グローバルモバイル サポートスタッフ 最終更新日:2026年7月
参考文献
[1] 海外でのご利用料金:メール・インターネット – NTTドコモ, 取得日: 2026年6月17日 [2] eSIM でデュアル SIM を活用する – Apple, 取得日: 2026年6月17日
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渡航先で迷わず通信できるように、出発前に利用できるeSIMプランと設定手順を確認しておくと安心です。

