[執筆] グローバルモバイル スタッフ(海外モバイル通信アドバイザー)。通信業界10年。海外渡航者向けサービスのサポート窓口で累計8,000件超の設定相談に対応。
eSIMを追加しても、いま使っている日本の電話番号は変わらず、消えることもありません。ただし海外旅行用eSIMの多くは「データ通信専用」で、新しい電話番号は付与されず、SMS認証には使えません。この記事では、3つのプランタイプの選び方と、日本の番号を残したまま安全に使う設定方法を解説します。
📌 この記事でわかること
・データ専用・SMS付き・電話番号付きの3タイプの違いと、自分に合う選び方
・日本の電話番号を残したまま使うデュアルSIM設定と、高額請求を防ぐ方法
・電話番号付きeSIMの注意点(韓国の本人認証など、買う前に知るべき限界)
eSIMの購入ページで「データ通信専用」という表記を見て、不安になった方も多いのではないでしょうか。専門用語をひとつずつ言い換えながら、順番に解消していきます。
eSIMを入れても日本の電話番号は変わらない・消えない
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eSIMは回線の「追加」であり、既存の電話番号は変わらず消えない
結論からお伝えすると、海外旅行用のeSIMをスマホに入れても、日本の電話番号は変わりません。消えることもありません。
なぜなら、旅行用eSIMの設定は、いまの契約を解約したり置き換えたりする手続きではなく、スマホに2つ目の回線を「追加」する操作だからです。主回線(いま日本で使っている契約)はそのまま残り、その上に旅行用の回線が乗るイメージです。
たとえば、ソウル旅行のために韓国用eSIMを設定しても、帰国後にそのeSIMを削除すれば、スマホは出発前とまったく同じ状態に戻ります。日本の番号宛ての着信やSMSを受けられるかどうかは、後述する設定次第でコントロールできます。

この共存を支えているのが、デュアルSIM(1台のスマホで2つの回線を同時に有効にできる機能)です。
eSIMに対応した近年のiPhoneやAndroidは、ほぼすべてこのデュアルSIMに対応しています。そのため、日本の物理SIMやeSIMを残したまま、旅行用eSIMを追加でインストールできます。
「eSIMにすると番号が変わる」という情報を見かけることがありますが、それは乗り換え(MNP)や新規契約の文脈の話です。旅行用eSIMの追加とはまったく別の手続きなので、混同しないようにしましょう。
例外:番号が変わる・使えなくなるのはどんなとき?
番号に影響が出るのは、主回線そのものを解約した場合や、別の通信会社へ乗り換える場合だけです。また、機種変更の際にはeSIMの引き継ぎ(転送・再発行)の手続きが必要になりますが、これも旅行用eSIMの追加とは別のテーマですので、ここでは詳しくは触れません。
海外用eSIMは3タイプ:データ専用・SMS付き・電話番号付きの違い
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プランは3タイプあり、違いは「番号の有無」と「SMS・通話の可否」
海外用eSIMのプランは、大きく3つのタイプに分かれます。違いを生むのは、新しい電話番号が付与されるかどうか、そしてSMSや音声通話が使えるかどうかの2点です。
| タイプ | 電話番号の付与 | 音声通話 | SMS送受信 | 料金の傾向 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| データ通信専用 | なし | 不可 | 不可 | 最も安い | ネットとLINEが使えれば十分な人 |
| SMS付き | あり(受信用) | 不可または制限あり | 可 | 中間 | 現地でSMS認証を使いたい人 |
| 電話番号(音声)付き | あり(現地番号) | 可 | 可 | 高め | 現地番号での発着信が必要な人 |
データ通信専用eSIM:最安だが電話番号は付与されない
海外旅行用として販売されているeSIMの大半は、このデータ通信専用タイプです。通話やSMSに対応しておらず、電話番号も発行されない仕組みですが、インターネット接続だけに特化することで、料金が安く抑えられています。
つまり「データ通信専用」という表記は、欠陥ではなく仕様です。自分の用途がデータ通信だけで完結するなら、このタイプが最もコストパフォーマンスに優れています。
SMS付き・電話番号(音声)付きeSIM:認証や現地連絡が必要な人向け
一方で、現地のアプリやサービスを使う予定がある場合は話が変わります。SMS付きタイプは認証コードの受信に対応でき、電話番号付きタイプはさらに現地番号での発着信が可能になります。
そのぶん料金は高くなるため、「本当に必要か」を次の判定チャートで確認してから選びましょう。
30秒判定チャート:あなたに必要なのはどのタイプ?

迷ったときの判断基準はシンプルです。
- LINEやマップ、SNSなど、いま使っているアプリを使い続けるだけなら、データ専用で十分です。
- 現地のアプリに新しく登録する予定があるなら、SMS付き以上を検討してください。
- 現地の店や人と電話でやり取りする可能性があるなら、電話番号付きが安心です。
データ専用eSIMで「できること・できないこと」
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LINE等の既存アプリは使えるが、SMS認証と通常の電話は不可
データ専用eSIMを選んだ場合に何ができて何ができないのか、ここで正確に整理しておきましょう。
| 項目 | 可否 | 補足 |
|---|---|---|
| LINE・WhatsAppの既存アカウント利用 | できる | 通話・メッセージとも問題なし |
| 地図・SNS・動画などのアプリ利用 | できる | データ通信があれば動く |
| LINE等の新規アカウント登録 | できない | SMSまたは音声での認証が必須のため |
| 現地アプリのSMS認証 | できない | 電話番号が付与されていないため |
| 090/080番号での通話 | できない | 設定次第で主回線側では可能(料金注意) |
できること:LINE・WhatsAppなど既存アカウントの利用はそのまま
最も多い誤解が「eSIMを入れるとLINEが使えなくなるのでは」というものです。安心してください。すでに登録済みのアカウントは、データ通信さえあればそのまま使えます。追加の操作や再ログインなども不要で、トークも通話も普段どおり利用できます。
できないこと:SMS認証・現地アプリの新規登録・通常の音声通話
一方、データ専用eSIMには電話番号がないため、SMSの送受信ができません。そのため、現地の配車アプリや人気店のウェイティングシステムなど、登録時にSMS認証を求めるサービスは、このeSIM単体では突破できません。通常の音声通話も不可となります。
銀行・クレジットカードの2段階認証はどうなる?
海外滞在中に日本の銀行アプリやカード会社の2段階認証を使う場面では、認証コードが日本の番号宛てのSMSで届くケースがあります。これはeSIM側ではなく、主回線(日本の番号)側で受信する必要があります。受信できるかどうかは主回線のローミング設定に左右されます。
✍️ 筆者(専門家)の経験からの一言アドバイス
【結論】: プラン選びで迷ったら、「既存アプリを使い続けるだけか、現地で新規登録するか」の一点だけで判断してください。既存利用ならデータ専用で困りません。
実は、私自身も過去に50種類以上のeSIMプランを検証する中で、「LINEが使えなくなると思って高い音声付きプランを買ってしまった」という相談を最も多く受けてきました。逆に、現地アプリの新規登録でつまずく方も少なくありません。この経験から、判断基準は「既存利用か新規登録か」に集約できると考えています。
日本の電話番号を残して使う:デュアルSIM設定と高額請求を防ぐ方法
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主回線は残してデータをeSIMに指定、ローミング設定が請求の分かれ目
ポイントは2つだけです。「モバイルデータ通信を旅行用eSIM側に指定すること」と「主回線のデータローミングをオフにすること」です。この2点さえ確認すれば、日本の番号を残したまま、高額請求の心配なく旅行用eSIMを使えます。
iPhoneでの設定手順(3ステップ)
Appleの公式サポートを参照しながら[3]、渡航前に以下の順で設定します。まず設定アプリから「モバイル通信」を開き、購入したeSIMのQRコードを読み取って回線を追加しておきます。
① 追加したeSIMに「旅行用」などの名前を付ける
② 「モバイルデータ通信」の項目で、使用する回線を旅行用eSIMに切り替える
③ 「デフォルトの音声回線」は主回線のままにしておく

この設定により、データ通信は安価な旅行用eSIM、電話番号は日本の主回線という役割分担が完成します。
Androidでの設定手順(Pixel/Galaxyの画面差に注意)
Androidも考え方は同じですが、Pixelの場合は「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」から、Galaxyの場合は「設定」→「接続」→「SIMマネージャー」から、それぞれeSIMの追加とデータ通信回線の指定ができます。
主回線のデータローミングはオフに:オンとの違いと請求の仕組み
主回線側でデータローミングがオンになっていると、海外で主回線が勝手に通信を行ってしまい、高額なローミング料金が発生する可能性があります。
| 主回線の設定 | 日本番号への着信 | 日本番号宛てSMSの受信 | データ通信の請求リスク |
|---|---|---|---|
| 回線オン+データローミングオフ | 受けられる(通話料注意) | 受けられる | 低い(推奨設定) |
| 回線オン+データローミングオン | 受けられる | 受けられる | 高い(誤接続の恐れ) |
| 回線自体をオフ | 受けられない | 受けられない | なし |
おすすめは表の1行目、「回線はオンのままデータローミングだけをオフにする設定」です。こうすれば、日本の番号宛ての重要なSMS(2段階認証など)は無料(※多くのキャリア)で受信しつつ、データ通信は旅行用eSIMだけに限定できます。
✍️ 筆者(専門家)の経験からの一言アドバイス
【結論】: 飛行機に乗る前に、「モバイルデータ=旅行用eSIM」「主回線のデータローミング=オフ」の2点を必ずセットで確認してください。この2タップで高額請求のリスクはほぼ消えます。
実は、私自身も過去にソウル渡航へ同行した際、eSIMを入れただけで安心してローミング設定を放置した同行者のスマホが、着陸直後の数分間で主回線の海外ローミングに接続してしまった場面に立ち会いました。幸い少額で済みましたが、設定2タップの差がそのまま請求の差になることを痛感した経験です。
電話番号付きeSIMが必要な人と、買う前に知るべき注意点
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現地番号が要るのは一部の人。番号付きでも本人認証前は使えない
必要な人:現地アプリの新規登録・店のウェイティング・現地からの着信
韓国を例にすると、カカオタクシーの利用登録や、人気店・カフェのウェイティング(順番待ち)登録で現地番号(010〜)の入力を求められることがあります。現地の番号があれば、呼び出しの着信やSMS通知の受け取りが非常にスムーズになります。
注意点①:韓国では入国後の本人認証を済ませるまで通話・SMSは使えない
ここが最大の落とし穴です。韓国の大手キャリア回線(SKテレコムなど)を使った電話番号付きeSIMでは、日本国内で購入してQRコードを設定しただけでは通話・SMSは有効になりません。必ず韓国での入国審査を終えた後に、パスポート情報などによる本人認証の手続きを完了させて初めて番号が使える状態になります。
✍️ 筆者(専門家)の経験からの一言アドバイス
【結論】: 韓国で電話番号付きeSIMを使うなら、空港のWi-Fiが使えるうちに本人認証の手続きを済ませてから市内へ移動してください。所要時間は5分程度です。
実は、私自身も過去にKT回線の番号付きプランを検証した際、認証手続きを後回しにして市内へ移動した結果、いざ店のウェイティング登録をしようとした時点で番号が有効化されておらず、登録に失敗したことがあります。空港で5分の手続きを先に済ませるだけで確実に防げる失敗でした。
注意点②:番号付きでも「実名認証が必要なSMS」は受信できない場合がある
もうひとつの限界が、認証SMSの種類による制約です。飲食店のウェイティング通知のようなSMSは受信できる一方で、韓国の住民登録番号等に紐づく「実名認証(本人確認)」を必要とするサイトやアプリのSMS認証には利用できない場合があります。旅行者向け回線の共通の制約であることを理解しておきましょう。
渡航前チェックリスト:出発までに確認する5項目
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対応機種・プラン類型・認証要否・回線設定・ローミングの5点を確認
ここまでの内容を出発前に確認すべき5項目に集約しました。スクリーンショットを撮って空港で最終確認に使ってください。
| チェック | 項目 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| ⬜️ | スマホがeSIM対応か | 設定画面に「eSIMを追加」の項目があるか。SIMロック解除済みか |
| ⬜️ | SMS認証の要否を確認したか | 現地で使う予定のアプリを1つずつ開き、新規登録が必要か確認 |
| ⬜️ | プランのタイプを決めたか | 判定チャートでデータ専用/SMS付き/番号付きを選択済みか |
| ⬜️ | 回線の役割を設定したか | モバイルデータ=旅行用eSIM、音声=主回線になっているか |
| ⬜️ | 主回線のローミングをオフにしたか | データローミングがオフでも、回線自体はオンのままか |
eSIMと電話番号に関するよくある質問
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番号の確認方法やSMS不達時の対処など、細かな疑問に一問一答
Q1. eSIMの電話番号はどこで確認できますか?
iPhoneの場合は「設定」→「モバイル通信」で該当のSIMを選ぶと番号が表示されます。Androidは機種によって異なり、Pixelは「SIM」、Galaxyは「SIMマネージャー」から確認できます。表示されない場合は一度端末を再起動してみてください。
Q2. 海外でSMSが届かないときの対処法は?
まずそのSMSがどちらの番号宛てか確認します。日本の番号宛てなら主回線がオンになっているかを確認してください。データ専用eSIM宛てのSMSはそもそも受信できない仕様のため、メール認証等に切り替えるのが現実的です。
Q3. 自分のスマホがeSIM対応か確認するには?
iPhoneはXS/XR以降のモデルが対応しています。Androidは設定内に「eSIMを追加」等の項目があるかで判断できます。あわせてSIMロックが解除されているかも必ず確認しておきましょう。
Q4. データ専用eSIMにも番号らしき表示が出るのはなぜ?
一部のデータ専用eSIMでは、回線の識別用(管理番号)として番号が割り当てられていることがあります。これは通信システム上のものなので、この番号を使って音声通話やSMSの送受信はできません。
Q5. 帰国後、旅行用eSIMはどうすればいい?
有効期限が切れたeSIMは設定画面から削除して問題ありません。残しておいても料金は発生しませんが、回線一覧が増えて誤操作のもとになるため、削除して整理しておくのがおすすめです。
まとめ:日本の番号は残る。あとは「SMS認証の要否」で選ぶだけ
最後に、この記事の要点を3つに絞って振り返ります。
・eSIMを追加しても、日本の電話番号は変わらず消えません。
・プラン選びは「現地でSMS認証や新規登録が必要か」を基準に、データ専用・SMS付き・電話番号付きの3タイプから選びます。
・出発前には「モバイルデータ=旅行用eSIM」「主回線のデータローミング=オフ」の2点を確認すれば高額請求の心配もありません。
ここまで読んだあなたは、もう「データ通信専用」の表記に迷うことはないはずです。判定チャートで選んだタイプに合わせて、渡航先のeSIMプランをチェックしてみてください。あなたの旅行が、通信の不安なく楽しめるものになりますように。
📚 参考文献・参考サイト
[1] eSIM電話番号は複数回線で使用できる?管理する方法も紹介 – 楽天モバイル, 2024-08-13
[2] eSIMをインストールすると電話番号は変わりますか? – Nomad eSIM, 2025-11
[3] iPhoneでeSIMを設定する – Apple サポート, 2026-03
[4] SKテレコム正規 eSIM データ無制限&通話受信・発信可能 – コネスト
[5] 韓国 eSIM 010電話番号付 KT公式 商品ページ – ttshop
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※本記事は2026年6月時点の情報です。プラン仕様や各国の認証要件、OSのアップデート等により内容が変わる場合があるため、最新情報は各公式サイトをご確認ください。
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